2019 レクイエム展

2019.Requiem EXHIBITION


  •   ・二紀和太留 略歴
     (1921-1998)熊本荒尾市出身。熊本師範学校(現熊本大学)卒業。大東亜戦争時は海軍に従事しレイテ沖海戦などに参加。
     戦後、独立美術展などに参加。武蔵野美術学校中退。抽象絵画の先駆者、坂田一男に師事しAGO展2回から4回(最終)まで参加。レジェの研究所で、幾何学的絵画を描く方法として、定規、コンパスを使用していた。
     それにならうかのように戦後、戦争絵画を抽象で描く。最終的にレジェの「幾何学とグラデーション」による絵画を作りだす。
     また、機械的、幾何学的な画面構成は、父である福山政治が、建築設計の仕事をしていたことと関係があるかもしれない。(福山はユネスコ世界産業遺産として認定された三井三池炭鉱竪坑櫓の設計に関わる。
     二紀は若き頃、その炭鉱施設の絵画を沢山描いている。) 振り返ると二紀はレジェやコルビュジェの機械美の系譜を引き継ぐ画家でもあった。
     1960年代後半にアメリカ、ニューヨーク、ロスアンゼルスなどで展覧会を開き活躍。ニューヨーク近代美術館でグループ展に参加。
     その後、ドイツやヨーロッパなどの画廊でも個展。日本に帰国後、戦争で亡くなった戦友のためのレクイエム展を毎年開く。

       

  •  We Japanese feel that we are now put on trial. But we do believe, firmly believe, that we also shall be understood by the world as Jesus of Nazareth was. 
    (Speech delivered by Mr Matsuoka. at League of nation Geneva.December 8,1932)
       

           2019 年 8月1日(木)~18(日)

            休館 月火水曜日 Open13:00-17:00

            入館料 一般500円

 

 

  8月4日(日曜日) 14時よりドイツ美術館報告会開催  要予約


 毎年恒例のレクイエム展。終戦から74年経とうとしているが、あの戦争の全貌がやっとわかり始めた。
 ユダヤ人、アルデカイ・モーゼの父はロシア革命の革命家、本人は中国のサッスーン財閥の顧問を経てニューディール派のブレーンだったという世界の革命、戦争を直接知る立場だった。
今年7月に出版された「日本人に謝りたい」(沢口企画)は1979年の復刻版であるが、あの戦争がユダヤ人の共同謀議による戦争だったと告白。日本は正しかったという意味で「日本人に謝罪したい」という題名なのだ。
 近代、現代の革命、戦争の理由はユダヤ民族解放のためとし、マルクス主義、共産主義は彼らがつくった虚構仮説と論じ、ユダヤ人のルーズベルト大統領はあえて日本と戦争を起こした。日本の政治家で、平和主義で正しかったのは松岡洋右のみだった。
 今回の展示は3つ。絵画は二紀の画いた油絵の大東亜戦争。
 二つ目は、インスタレーションとしてであるが、中国大陸の戦火をくぐり抜けた故宮博物院の箱入り美術品。
 三つ目は、8人の女流戦場写真家による写真集「Women war photographers」(Prestel社発行)の展示。(写真集はデュッセルドルフのパラスト美術館で8月3日より開かれる展覧会のもの)
 二紀作品は大きく分けて、終戦時に描いた抽象絵画と、1980年代の幾何学的絵画の二種類の絵画を展示。「架刑」など死者を表す暗い画面と対照的に戦友の魂の明るい画面である。代表作「荘厳」は、二紀の葬儀の時、真言宗の住職に「金剛界曼荼羅」と指摘される。「月と永遠の海」は、今なお太平洋の南海に沈む戦友を悼む絵画。