2022.10.29~30 Creative space 2022
昨年に続く現代舞踊協会のイベントであるが今回は上記のテーマとなり、さらに新しい空間を生かしたものに対して、宇フォーラム美術館賞を授与させていただくことになった。今回、9つの参加者があり、熱演が繰り広げられ感動を与えてくれた。様々なダンスの形式があり、その多様さが面白い。下記の文章は、出演者と現代舞踊協会にたいするものであり、今回、一部割愛して収録した。
「この度は、当館のイベントに出演していただき大変ありがとうございました。このイベントに取組まれた出演者の皆様の熱意に感謝し、敬意を表します。新たに設けられた宇フォーラム美術館賞の趣旨は「クリエイティブスペース、つまり空間を生かし、新しさに挑戦するもの」で、今回は「流転」を選ばせていただきました。今回のダンスのバリエーションは多様であり、作品自体の優劣の評価ではなく、上記の趣旨のみを評価しました。前回は、「振り付け」に特化したテーマでしたが、今回は「クリエイティブ」になりました。直訳すれば創造、創作です。いわゆる「ダンス」という身体的なものから、「創造」になったということです。このことは人間の「身体」を利用した新たな総合芸術を目指すことなのだと思います。それはいわゆるスポーツと異なり、競い合ってメダルを求め、最終的に勝者となることではなく、個の積み重ねとして、どれだけすばらしいことができたか、という公演自体が評価されるべきであり、公演総体としてのバリエーションに醍醐味があったという気がします。その意味でも、今回の公演は大成功でした。
今回、能美健志舞台監督は限られた時間と設備の中でご苦労されたと思います。特に当館の限られた照明でどうするか、悩まれたと思います。複数のライトコントロールを監督自ら行われていましたが、天井だけでなく、スタンドやフロアーのスポットライトで壁に影を作るのは今回重要な演出でした。また、ベテラン音響設備の河田康雄氏の移動式コントロールデスクなど、短い期間で工夫される能力にも感心いたしました。
最後に、現代舞踊協会の会長、理事長をはじめとして皆様にご協力をいただき、さらに舞台ではない場所での公演に苦労された芸術創造推進部の皆様に感謝いたします。
皆様の力なく、この公演は不可能でした。皆さまありがとうございました。」
出品作品 ・榊原菜生未「KAIGA~仮面舞踏会」・玉田光子「流転」・中川亜希「飛花落葉」・高澤和歌子「くずれる水」・横田恵「Hair II」・山井絵里奈「Where
abouts」・北島栄「melodious♪」・川村真奈「オトギバナシノヨウニ」・MO姉妹(小川麻里子・大橋美帆)「たば風に立つ女 声なき叫びに触れる」
宇フォーラム美術館賞の「流転」について
「奥の部屋にて、大きな不気味な雲り空の写真映像をプロジェクターで投射したダイナミックな背景の中で不安感のある印象をつくるとともに、後半は一転し、床にオブジェのある手前の部屋に移動し、空間の使い方を工夫していた。衣装も斬新。昨年も参加していただいたが、今回はさらに新しいものへの意欲を感じさせた」
副賞として今年の10月に当美術館にてイベント予定。
写真は現代舞踊協会より提供されたものを使用し、名前は敬称を略させていただいた。