琳-O 若林 千春 個展2022 「なんにもないことの幸福(すべて)をあなたに」
9月4日(日) 琳-O 若林 千春 個展2022
「なんにもないことの幸福(すべて)をあなたに」
松原 智美(アコーディオン)、若林 かをり(フルート)、
石上 真由子(ヴァイオリン)、マクイーン 時田 深山(筝)、 松本 シャコ (照明)
若林千春氏は芸大の音楽学部作曲科を卒業し、フランス等でも活躍されている気鋭の現代音楽の作曲家。今回は千春氏が作曲した4つの楽器の6曲が演奏された。以前、尾形光琳生誕300年の記念行事でも作品を発表されている。ちなみにパンフレットのデザインにも琳派が取り入れられている。琳と名付けられているように、和の音楽の独自の解釈を試みられている。千春氏は音と空間に非常にこだわれていて、当館の音の響きとニュートラルな空間を気に入っていただいたことで本企画がスタートした。そのため隅々までこだわりが感じられるイベントであった。千春氏がプロデュースして選ばれた4人の演者はコンクールで優勝され、あるいは世界の第一線で活躍されている方々ばかりである。箏もあるが、他は西洋の楽器を使われている。パンフの紹介文には、「ある音響による持続体」「音の時空」「デザインされた音響空間」「ほんの一瞬で終わってしまうような音宇宙」という言葉が並ぶ。当館で何度も照明に携われた松本シャコ氏は当館の空間は熟知されている。すべては千春氏の世界観を伝えるためでありそれは実現できた。それは琳という宇宙世界を表現するための音楽なのだ。(写真はいずれもJUNPEI.TAINAKA氏の撮影)