- 平 松 輝 子「永遠の命」 宇フォーラム美術館館長 平 松 朝 彦
灼熱の砂漠にあるピラミッドは石の文化の象徴であり、自然と水の豊かな日本と正反対。
かつて平松輝子はギリシャとエジプトと中国を訪れたがいずれも古代に神々がいた聖地。
奥の展示室はピラミッドと王家の谷、そして手前の部屋はさまざまのエジプトの神殿を表した巨大な水墨画がならびあたかもエジプトの迷宮に迷い込んだかのよう。
王家の谷は幅約10m高さ3m、ピラミッドは高さ4.2m幅3mであえて薄暗い照明にした。
ピラミッドは他に同サイズで2点あるが今回展示していない。小品では水墨に金色がエジプトらしい。
壮大な王家の谷には黄金のツタンカーメン王、他多くの王の墓がある。古代エジプトを支配した君主、ファラオは神と民の仲介者でもあり、ホルス神、太陽神でもある。
そして王たちはミイラとなり死後の再生を信じた。
この絵の谷全体をホルス(はやぶさ)の形にしたことにはどのような意味があるのか。さらに壁には黒い墓の横穴と金泊の目が規則的に並ぶ。目はホルスの目なのだろう。
この謎めいた物語性にとんだ絵の前に立つと神々の声が聞こえるようだ。
ところでアメリカの一ドル紙幣にはピラミッドとホルスの目が記されて何かを暗示していることは間違いない。
さらにアメリカの国鳥である白頭鷲はホルスそのもの。
古代イスラエルのソロモン王はエジプトのファラオの娘を嫁としたから古代のエジプトとユダヤはつながっている。
エジプトは世界でもっとも日本と縁遠い国である。
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