繋ぐ 達 和子 展

  繋 ぐ 達 和 子 展

         2020 年 3月19日~4月5日

           休館 月・火・水曜日 Open13:00-17:30

           入館料 一般 500円

 

 

  オープニングパーティー 3月21日 (土)17:00~18:30


    


   線で紡ぐ生命の形象

 達 和子の作品から、イメージの基となった人体の動きや植物の育つ様の痕跡を探り出すのは、それ程困難ではない。
 実際に造形化された人の体や植物は、幾つもの作品に見い出せる。
ただ人体や植物の形を追求するのが目的でない事は明白で、そこに宿る生命感の表出が重要なのである。
 多様な描画材を用いて、板や紙に自ら内奥に胚胎する情感や思念をストロークを生かした線で描き出す、しなやかさと強勒さを併せ持つ線は作者の思いを反映、あるいはそれと連動して有機的な形を創リ出す。
 この自在な描線は予測しない形を生み出し、不確実さを孕む画面が思わぬ展開を見せ、増殖する形象は連続し振幅し、時に膨張する。
 この形象と形象とが互いの関係から"間"を生じた時、画面は一気に生命感に溢れるのである。
達の創出する画面は様々に変容し、工ロチックでありまたユーモラスでもあるが、一時として停滞する事なく常に活発で新鮮である。
 それは自身が存在する現在を見詰め、感じた思いをダイレクトに線描するからであろう。変化し続ける作品は、彼女の内的世界の視覚化であり、それはWarmth of life(生命の温もり)の創造の軌跡に他ならないのである。
                     美術評論家  清 水 康 友

                               


  

 達 和子 (DATE Kazuko) 略歴
1975ー1990年(香港在住)。1991ー2000年武蔵野美術学園在籍。
1999年よリ作品発表開始。1999,2000毎日現代日本美術展、モダンアート協会(2000―2010、'00 50周年記念山口薫特別賞、' 01奨励賞、俊英作家賞、' 02優秀賞、安田火災奨励賞) 2001上野の森美術館大賞展(優秀賞)、ギャラリーセンターポイント、ギャラリー山口、ギャラリー志門、アトリエ・Kアートスペース、Steps Gallery、岐阜現代美術館、CAF,N展、CWAJ現代版画展、表層の冒険展、現在進行形野外展、他多数。