ミレヤ・サンパー アイスランド国際文化交流展

「ミレヤ・サンパー」アイスランド国際文化交流展 Emptiness is fullness

  •   コラボレーション演奏
     このイベントは氷の国、アイスランド生まれのアーチストと、水の豊かな国、日本の、彼女のコンセプトに共感する音楽家の協力によって生まれた。彼女のコンセプトにインスパイアーされた三人の音楽家が参加している。
     永井氏は自作の楽器を中心にしたソロでのコンサート活動や映画音楽、公共施設のための作曲を手がける八王子在住のアーチストで、フランス、アイスランド、インドネシア等の海外ツアーなどの実績がある。
    今回ミレヤ氏の作品映像とともに、永井朋生氏作曲、演奏の音楽が使われている。彼女と永井朋生氏は世界各地で共演し、音楽も一つのパフォーマンスとなっていて、「永遠性」「命の循環の表現」「自然、大地から触発される」という共通のコンセプトを絵画、映像、音と身体で表現する。
     もう一人の音楽家、シンガーソングライターのRYNCO氏はかつて当館で、イベントを開いた。そのスピリチュアルな世界は、ミレヤ氏の世界と共通のものがある。14日に開催されたピアノと自作の歌とのイベントは素晴らしかった。後にユーチューブにアップされている。
  •   展示作品概要

    1 「夜明け」という長さ約10mの作品。アイスランドの広大な自然にインスパイアーされた高さ約1.1mの和紙  に墨で書かれた作品

    2 数多くの水滴状のアルミ、ブロンズが天井から吊られた「一万の涙」

    3 壁一面にプロジェクターにより投射されるリトアニアの一日の風景。森の樹木には金属の輪が廻されている

    4 和紙による墨作品。フランスに発注した紙にワックスを塗り熱で溶かして透過する模様を作り出した作品

  •  ミレヤ・サンパー氏は1964年、アイスランド生まれでヨーロッパだけでなく世界各国で活躍されている女流アーチスト。チェルシーで出会った女性画家、15年前に当館に来られた女性画家、様々な偶然の新たな出会いがこのイベントの始まり。
     そしてこれは、環境危機の時代に警鐘を鳴らすイベントでもある。私たちは地球の歴史から比べたら一瞬存在する生命体の一つに過ぎない。また、われわれ生命体は地球という惑星に水があるから存在を許される。水は、液体として、固体として氷に、あるいは見えない水蒸気として大気に存在し、液体はすべての生命の源となっている。水が姿を変え、地球を地球足らしめている、水蒸気が雨という液体になる現象、大いなる循環である。
     そうした大いなる循環を、ミレア氏は視覚化して見せようと考えた。さらにミレヤ氏は、日本の和紙と墨を使う作家でもある。そして墨はまさに水による芸術である。彼女は日本文化に傾倒し、阿波の和紙に墨を使った作品を積極的に発表している。大胆な線は自然の荒々しさを感じさる。水をテーマとして表現した作品などもその特徴の一つ。上の写真は彼女の石の作品であるが石に水滴の形状が掘られ銀色に着色されている。彼女の生まれたアイスランドの土地の溶岩は太古から続く地球の大地を感じさせる。水滴としての雨が川となり海となる壮大な循環の世界を感じさせる。このように彼女の作品はアイスランドという自然豊かな国が原風景であり、そうした歴史文化にはぐくまれた精神性に基づいており、その意味で日本の文化である自然崇拝の古神道と共通している点で興味深いものがある。また、当館の受付デスクには「石に宇宙を想い、水に宇宙を見る」という言葉がある。それも偶然。


  •  私が対象にしているのは、命の循環に関する詩的なイメージである。内なる宇宙と外なる宇宙。そこでは無限と繰り返し、そのふたつのメタファーとしての水と光が融合している。私は、いのちの水と光、それらをさまざまな形で具現化すること、そしてそれらがいのちと自然の全てに与える影響について考えているのである。
     私にとって水は、固体であっても水であっても、大切なものである。私はしずくになって落ちる、水の一瞬の形をさまざまな形で暗喩(メタファー)として使っている。石に刻まれたり、ふわふわとしたものとして表現されたりする。形にし、描き、あるいは他の素材から創り出すのである。
     つまり、水滴は、ふたつの意味合いを持っていて、循環のふたつの意味として、水源・水の多さの感覚を示している。水滴は、時間と永遠、両方に関係しているのである。
     さらに私は、光、光の反射、光へのほのめかしを、我々の内なる自己、より高い何ものか、あるいは平和、永遠、普遍的価値のシンボルとして使っている。
     私の作り出したテクニックによって、私は光を全くユニークな方法で使うことができる。紙を半透明にする。紙は何層かにして使うことが多いのであるが、それは三次元を表し、従って、より深い理解へと繋がることになる。
    永遠は宇宙を展開するものである。私は、私の作品を手にした方々が、自分の内面を映し出し、自らの中の、「外界」への世界とつながれることをお手伝いできることを望んでいる。


  •     Art’ist statement- Mireya Samper
     My subject matter is poetic images of circle of life. Internal and external cosmos. There water and light, both metaphors for infinity and repetition, coalesce. I contemplate life’s water and light, their various embodiments, and their influence on the entirety of life and nature.
     Water is dear to me, both as solid form and as a fluid. As a metaphor I use the ephemeral form of the drop in suspension in various ways: it is carved in stone, it appears as a floating form. I shape it, paint it, or induce it from other materials.
     Thus the drop has a dual significance it symbolizes both feelings, with dual meaning of circularity, source of water and its pluvial. The water drops relate to both time and eternity.
     Furthermore, I use light, reflection of light, or allusions to it as a symbol of our inner self, of something higher, of peace, eternity and universal value.
     A technique that I have developed, allows me to use light in a unique way, to make the paper works translucent. They are often in layers, and in that sense become three dimentional objects, resulting in deeper perception.
     Eternity unfolds the universe. I hope to encourage people with my work to reflect and connect with their inner selved, as well as connect to the “external worlds” and the cosmos.

  • 八覚正大司会者、平松、永見市長、一人おいてミレヤ・サンパー氏。竹内光博くにたち文化スポーツ振興財団理事長、是松昭一教育長
  • RYNCO 氏      ミレヤ 氏
  • TIMM 氏           永井 氏
  • 永井 氏
  • インスタレーションとビデオ「一万の雨」
  • TMホフマン氏。永井朋生氏
  • ※ 音楽コラボイベントの様子を見る  Click here
  • ミレヤ・※ 展覧会の様子が映像並びにパノラマでご覧になれます
  • ミレヤ・サンパー氏   ハンネス・ヘイミソン大使
  • オープニングパーティーの様子
  • オープニングパーティー
       10月8日 16:00~ (演奏 永井朋生 TM Hoffman)
  • 音楽コラボイベント
      10月14日16:00~17:00 (歌 RYNCO)
       10月28日 16:00~17:00 (パーカッション永井朋生) 
  • 主催: 宇フォーラム美術館 (公財)くにたち文化・スポーツ振興財団 (共催) 
    後援: 駐日アイスランド大使館、国立市 国立市教育委員会
  • 世界各地で活躍する現代美術家 ミレヤ・サンパー
    「永遠性」「命、水、大地、自然の循環」をテーマに日本の素材を取り入れた作品を発表する
  • 10月5日(木)~11月5日(日)