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「水神讃歌」現代美術のインスタレーションとパフォーミングアーツによる新たな創造
地球に生をもたらしている水の存在は、人間にとってまさに神に等しい。
今回のイベントは水に感謝する人たちによる精神世界の表現でもある。
このインスタレーションは現代美術家である平松輝子の作品である。幅約1.1m、長さ約0.8mの銀紙約80m、総面積約80㎡という巨大な墨作品は天井高さ4m以上、幅約6mの壁面と奥行約6mもの巨大な滝のインスタレーションとなった。
銀紙に墨で描くことは「たらし込み」の技法として知られるが、その技法でこの面積を描くことは気の遠くなる作業であるとともに作者の強い信念を表す。
透明な水を表現するのは光の反射である。銀紙に墨で描かれた光の煌めきは、水そのものの作用であるたらし込みの技法により描かれた。
作者にいわせると「水が描いた、神が描いた」のである。
このインスタレーションの写真を見た観音舞の演者、妙香氏がこの作者の意図に共感した。観音舞とは神道の神の前で神に捧げる舞いのことであり日本に100人しかいない伝統芸能である。
妙香氏と巫女でもある舞道家の柳元美香氏を中心とする5人が今回オリジナルの儀式を執り行った。
さらに音楽は木製の笛の演者、マーク・アキクサ氏が作曲し、さらに日本古来の楽器の演者、宮下阿沙子氏とともに演奏された。
優雅な舞いと日本的な音楽が会場を包んだ。それらはすべて神に祀られる儀式である。
自然をシンボライズされた滝と白玉の砂利、竹などにより神聖な世界が現出した。
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- インスタレーション : 平松 輝子
観 音 舞 : 柳元 美香、中野 妙香、遠山 奈津子、矢向 ひとみ、關口 奈美
音 楽 : マーク・アキクサ(フルート)、宮下 阿沙子(響)